。あなたは今、モンパリの香水がくさいという少しショッキングなキーワードで、ここにたどり着いたのかもしれません。イヴ・サンローラン(YSL)のアイコン的フレグランスである「モンパリ」について、そんなネガティブな言葉が検索されていることに、驚かれたかもしれませんね。あるいは、ご自身で試してみて「甘すぎるかも?」「ちょっと私には強いかも」と感じた経験があるのではないでしょうか。
まずお伝えしたいのは、あなたがそう感じたとしても、それは決して間違いではありません。モンパリは、その愛用者の多さと同じくらい、賛否がはっきりと分かれる香水であることも事実なのです。しかし、フレグランスマイスターとして言わせていただければ、モンパリは「くさい」のではなく、非常に「誤解されやすい」香りなのです。この記事では、なぜモンパリが「くさい」と感じる時があるのか、その理由を香りの核心である「ダチュラ」や「パチョリ」といった専門的な視点で解き明かします。さらに、「くさい」と言わせないための上級者の付け方、EDPとヘアミストの違い、そしてあなたにぴったりのシリーズの選び方まで、あなたの長年の疑問をすべて解決します。
- モンパリが「くさい」と言われる衝撃的な理由
- 鍵を握る「ダチュラ」と「パチョリ」の正体
- 香りを激変させる「くさく」ない付け方・場所
- EDPとヘアミスト、あなたに合うのはどっち?
「モンパリの香水がくさい」の真相:なぜ賛否が分かれるのか
- 鍵を握る「ダチュラ」の魔性
- 甘すぎる?ベリーとパチョリの衝撃的な調和
- YSLが表現した「恋の絶頂」という物語
- 口コミ徹底分析:好き嫌いが分かれる本質的理由
鍵を握る「ダチュラ」の魔性

モンパリの香りを理解する上で、絶対に欠かせないのが「ダチュラ」という花です。これは、ジャスミンやローズのように、一般的に「良い香り」として知られる花とは少し異なります。モンパリ オーデパルファム、オードトワレ、そしてヘアミストまで、シリーズの多くの中心に据えられているこのダチュラこそが、モンパリの個性を決定づけているのです。
ダチュラは、別名「エンジェルズ・トランペット」とも呼ばれますが、その美しい見た目とは裏腹に、強い香りと特性を持つ花として知られています。イヴ・サンローランの公式サイト(海外版)では、このダチュラをマーケティング表現として「夜にその麻薬的な(narcotic)エッセンスを明らかにする花」「めまいがするような(dizzying)」と、非常に官能的かつ挑戦的に語っています。
一般的なフローラルノートが「清楚」「可憐」といった印象を与えるのに対し、ダチュラがもたらすのは「陶酔感」や「非日常感」です。この、ともすれば「強すぎる」と感じられるほどの陶酔的な香りが、モンパリを唯一無二の存在にしているのです。
香道Lab.このダチュラの香りは、ヘッドスペーステクノロジーという技術(花を収穫せずに、その場で香りの分子を採取・再現する技術)によって精巧に再現されており、その神秘的な存在感を損なうことなくボトルに詰め込まれています。モンパリのミドルノートで香るこの陶酔的な花の香りは、トップノートのフルーティーな甘さと混ざり合い、強烈な第一印象を与えます。これが、日常的な香りに慣れた人にとっては「キツイ」「くさい」と感じる要因の一つとなるのです。
甘すぎる?ベリーとパチョリの衝撃的な調和


モンパリを手に取った人が次に感じる衝撃は、その「甘さ」でしょう。トップノートでは、ストロベリー、ラズベリー、ペア(洋梨)といった、まるで完熟した果実を煮詰めたような、濃厚でジューシーな甘さが弾けます。これが、モンパリの第一印象を「かわいらしい」「甘い」ものにしています。
しかし、モンパリが単なる「甘い香水」で終わらない理由が、ベースノートにあります。それが「パチョリ」の存在です。パチョリは、湿った土のような、またはアースーウッディ系の深みを感じさせる香料です。このパチョリが、ベリー系の甘さを下からどっしりと支えることで、モンパリは「スパイシーなウッディニュアンス」を持つ、大人の色気を表現しています。
実際に、口コミでは「シロップのような感じがあまり好きではなかった」という意見も見られます。これは、ベリー系の甘さが、その人の肌質や体温によって強く出すぎた結果でしょう。一方で、この甘さとパチョリの深みが絶妙に調和した時、それは「小悪魔的」とも「官能的」とも評される、抗いがたい魅力に変わるのです。
香りの専門知識:モダン・シプレー
モンパリは、公式には「ホワイトフローラルシプレー」という香調に分類されます。伝統的なシプレーは、ベルガモット、オークモス、パチョリなどを使った格調高い香りでしたが、モンパリはそこにフルーティーな甘さを大胆に加えた「モダン・シプレー(フルーティー・シプレー)」です。この「甘さ(ベリー)」と「深さ(パチョリ)」という両極端な要素の緊張感こそが、現代のシプレーの魅力であり、同時に多くの人を戸惑わせる「くさい」と感じる原因にもなっているのです。
YSLが表現した「恋の絶頂」という物語


では、なぜイヴ・サンローランは、これほどまでに個性的で、賛否の分かれる香りを選んだのでしょうか。その答えは、モンパリに込められた「物語」にあります。
モンパリの公式なコンセプトは、「情熱的な恋に酔いしれる体験」、そして「幸福の絶頂」です。これは、穏やかで日常的な愛ではなく、我を忘れるほどの激しい恋、その瞬間の陶酔感を表現しています。「パリで我を忘れて」というキャッチコピーの通り、理性を失うほどの情熱的な輝きを香りで描こうとしたのです。
この「恋の絶頂」という非日常的な瞬間を表現するために、穏やかな花やありふれたフルーツの香りでは不十分でした。だからこそ、YSLは「めまいがするような」ダチュラを選び、濃厚なパチョリと夢見心地なムスクをブレンドしたのです。



この背景を理解すると、「強すぎる」「甘すぎる」という感想が、まさにYSLの狙い通りの「情熱的で、理性を揺さぶる」感覚であったことがわかります。モンパリを「くさい」と感じるのは、その香水の持つ物語の強さに、圧倒されている証拠とも言えるでしょう。TPOを考えずに、例えば満員電車や静かなオフィスでこの「恋の絶頂」の香りを強くまとえば、周囲から「くさい」とネガティブに受け取られてしまうのは当然のことなのです。
口コミ徹底分析:好き嫌いが分かれる本質的理由


モンパリに寄せられる口コミは、まさに「大好き」か「苦手」のどちらかに二分されます。この「好き嫌い」が分かれる本質的な理由を、これまでの分析を踏まえて整理してみましょう。
「好き」と評価する人の意見:
「甘く官能的な香りで、デートにつけていきたい」「ベリーの甘さの奥に大人の色気を感じる」「この香りが似合う女性になりたい」「男ウケもする匂いだと思う」といった好意的な意見の多くは、この香りの持つ「非日常感」や「官能性」を正しく受け取っています。特に、デートやパーティーといった華やかなシーンで、自分の魅力を最大限に引き出したいと願う人々に強く支持されています。
「苦手(くさい)」と評価する人の意見:
一方で、「シロップのように甘ったるい」「香りが強すぎて酔ってしまう」「かわいすぎる雰囲気で自分には合わなかった」という意見もあります。
ネガティブな口コミの共通点
- 甘すぎる:ベリーの甘さが「シロップのよう」に感じられる。
- 重すぎる:パチョリやムスクのベースが強く出てしまい、TPOに合わない。
- 強すぎる:香りが強すぎて「くさい」と感じる、または頭痛がする。
これらのネガティブな感想は、香りの「物語」が強すぎること、そして香りの「強度」が非常に高いこと(オーデパルファムは★★★)に起因します。しかし、ここで最も重要な事実をお伝えします。この「強すぎる」「甘すぎる」という問題のほとんどは、香水そのものの問題ではなく、「付け方」によって解決できるのです。
次の章では、この「くさい」という印象を「いい香り」に激変させる、私たち専門家だけが知る上級テクニックを伝授します。
「くさい」と言わせない、モンパリ香水の上級テクニック
- 1プッシュで激変。香らせる場所は「下半身」
- 厳禁!香りの粒子を壊す「こする」付け方
- EDPは重い?シリーズ別・香りの選び方【比較表】
- ヘアミストから始める「ふんわり」モンパリ
1プッシュで激変。香らせる場所は「下半身」


モンパリ オーデパルファムは、公式でも香りの強さが「★★★」と示されている、非常にパワフルな香水です。賦香率(香料の割合)が高く、香りの持続時間も長いオーデパルファム(EDP)は、付け方を間違えると、自分で自分の香りに酔ってしまう「香害」の原因になりかねません。
あなたがもし「くさい」と感じたことがあるなら、首すじや手首に2プッシュ、3プッシュとつけていませんでしたか? それこそが、最大の過ちです。
すれ違った時にふんわりと「いい匂い」と好感度を上げるプロの技術は、
香水に関する「よくある間違い」のもう一つが、付けた後の行動です。手首に香水をプッシュした後、反対側の手首でゴシゴシと「こすり合わせる」仕草。これをやってしまっているなら、今すぐやめてください。 絶対にNG:香水を手首でこする 香水をつけた後、手首などをこすり合わせる行為は絶対にNGです。摩擦熱によって繊細な香りの粒子が潰れてしまい、本来の香りのピラミッド(トップ、ミドル、ベースの変化)が壊れてしまうからです。特にモンパリの場合、こすることでトップノートの瑞々しいベリーが一瞬で飛び、ミドルノートのダチュラとベースノートのパチョリが混ざり合い、アルコールと共にキツく、アンバランスな香り立ちになってしまいます。これが「くさい」と感じる二つ目の大きな原因です。 香水は、肌に「乗せる」ものです。プッシュしたら、触らずにそのまま乾くのを待ちましょう。また、香りが最も美しく、バランス良く香るのは、つけた直後のトップノートではなく、その後の「ミドルノート」です。モンパリの真の魅力であるダチュラやフローラルが花開くのは、つけてから10分~20分後。つまり、出かける30分ほど前に付けるのが、最も「いい香り」をまとえるベストタイミングなのです。 「付け方は分かったけれど、やはりオーデパルファム(EDP)は重く感じる…」という方もいらっしゃるでしょう。その感覚もまた、正しいものです。モンパリのEDPは、その官能的な特性から、特に「秋・冬」の肌寒い季節に最も美しく香るように設計されています。 もしあなたが、高温多湿の夏にEDPをまとって「くさい(重い)」と感じたのだとしたら、それは香水が悪いのではなく、季節と香りのミスマッチが原因です。YSLは、そうしたTPOや季節に合わせて使い分けられるよう、素晴らしいモンパリの「姉妹(フランカー)」たちを世に送り出しています。 ここで、モンパリシリーズの主要なラインナップを、マイスターの視点で比較してみましょう。あなたにぴったりの「運命のモンパリ」が必ず見つかるはずです。 このように、同じ「モンパリ」の名前を冠していても、その表情は全く異なります。EDPを「くさい」と感じた方でも、春に「フローラル」や「リュミエール」を試してみると、その軽やかさと幸福感に驚くことでしょう。オードトワレ(EDT)は、EDPの官能的なDNAを残しつつ、パチョリの重さを抑え、より軽やかなムスクとシトラス(ベルガモット)が香るため、デイリーにも使いやすいバランスに仕上がっています。 実はこのヘアミスト、香水入門者にこそ試していただきたい、非常に優れたアイテムなのです。なぜなら、香りの構成はあの官能的なオーデパルファム(ラズベリー、ダチュラ、パチョリ)のDNAを引き継ぎながらも、香りの強さは「★★☆」と、EDPの「★★★」よりも控えめに設計されているからです。 持続時間も3〜4時間前後とEDPより短いため、香りが強くなりすぎる心配がありません。口コミでも「ヘアミストの方が香りはキツくなりにくいのでおすすめ」「髪が揺れるとふわっといい匂いが広がる」と、その「ふんわり」とした香り立ちが高く評価されています。 肌に直接つける香水とは異なり、髪につけるミストは、動くたびに柔らかく香りを拡散させます。これこそ、モンパリの「くさい」という誤解を解き、その最も美しい部分だけを体験するための、賢い第一歩と言えるでしょう。 マイスターからの提案 日中は「ヘアミスト」でふんわりとモンパリの幸福感をまとい、夜のデートや特別なシーンの30分前に、足首にだけ「オーデパルファム(EDP)」を1プッシュする。このように香りのレイヤリング(重ね付け)や使い分けをすることで、一日中モンパリの多面的な魅力を、周囲を不快にさせることなく楽しむことができます。ぜひ、試してみてください。 この記事のまとめです。


厳禁!香りの粒子を壊す「こする」付け方


EDPは重い?シリーズ別・香りの選び方【比較表】


製品名
香りのタイプ
キーノート
推奨シーズン
香りの強さ
おすすめのシーン
モンパリ オーデパルファム (EDP)
甘くセンシュアル
(ホワイトフローラルシプレー)ラズベリー、ダチュラ、パチョリ
秋・冬
★★★
夜のデート、パーティー、特別な日
モンパリ オードトワレ (EDT)
みずみずしく軽やか
(フローラル)ベルガモット、ラズベリー、ホワイトムスク
春・夏・秋
★★☆
デイリーユース、オフィス(少量)
モンパリ フローラル EDP
幸福感あふれるブーケ
(フレッシュフローラル)ピーチ、ベルガモット、ローズ
春・夏
★★☆
日中のデート、友人との集まり
モンパリ リュミエール EDT
透明感と可憐さ
(フローラルアクアティック)ホワイトロータス、ローズ、ダチュラ
春・夏
★★☆
最もカジュアル、リフレッシュしたい時
モンパリ ヘアミスト
ふんわり柔らか
(EDPの香りを再現)ラズベリー、ダチュラ、パチョリ
通年
★★☆
入門用、デイリー、香りが苦手な方
ヘアミストから始める「ふんわり」モンパリ



総括:「モンパリ 香水 くさい」の誤解を解く鍵はあなた自身










